転職からのひらめき

「一緒なら面白いことがやれそうだなと思います」Aでは、Oさんのほか、「新しい事業を立ち上げたい」と夢を語る人に何人も会った。

いつか、IT業界の新たなサクセスストーリーが生まれるかもしれない。 AのIT新卒特定派遣社員たちと会って驚くのは、いわゆる高偏差値大学を卒業した優秀な学生が多いということだ。
大学卒といっても学部卒だけではない。 なかには大学院に進み、化学系などの研究に打ち込んでいたという人もいる。
取材中、大勢の社員のみなさんに会ったが、高学歴であるばかりでなく、それぞれに個性的で味のあるキャラクターが感じられ、話を聞いていて引き込まれる人が多かった。 2006年2月現在、就職サイトで公開されている「先輩の出身校」はこんな具合だ。
難関大学卒の学生たちがなぜこの働き方を選んだのかそう語るのは、Hさん(2002年入社・2期生)だ。 広島大学工学部第三類(化学系)発酵工学課程卒のHさんは、学生時代、制ガン剤の探索に没頭。
大学の同期は3分の1が製薬会「いまの時代はどの会社に入っても『絶対』という保障はないでしょう。 それなら危機感を持って、自分がどこでも通用する力をつけることのできる会社を選ぶ方がよいと考えました」。
昧鋭い人、シャイで物静かな中にもユーモアあふれる人、現代っ子らしい「軽さ」と裏腹に「熱さ」が同居する人…。 タイプはさまざまだが、基本的に優秀で、前向きで、好奇心旺盛、ビジネス社会での適応能力も十分な人ばかりだと感じられた。
正直に言って、「この人たちなら、入ろうと思えば入れた会社がいくつもあったはずではないか」と思えたことは事実だ。 そして、実際に「他社の正社員の内定を蹴って、AーT新卒特定派遣の方に決めた」という人が大勢いる。
5年間の有期雇用で将来の確たる保障はなく、勤務形態は「派遣」。 そんな、世間の人々からはマイナスに見られがちな働き方を、これほど優秀な学生たちが自分の意志で積極的に選んでいるのはいったいなぜなのだろうか。
「常にそのときのスキルと気分で生きていきたい」というHさん。 「私はそのときにやりたいことをやりたい。

5年後に自分のできることがたくさんあったら、そのときに選べますよね。 5年後、3年後に『これだけしかできない。
どうしよう』ではなく、『自分はこれだけできる。 どうしようか』と悩んでいたいんです」と将来を見つめる。
SさんはK大学農学部生物機能化学科卒。


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